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加計学園の獣医学部認可についての報道を注視①>> 「4条件」とは何か?

 

 加計学園獣医学部の新設を認める大学設置・学校法人審議会の答申が、平成29年11月9日に文科大臣に提出されました。近いうちに文科大臣より認可されることでしょう。そうなると、国会審議が行われることも相まって、今後、加計学園に関するマスコミ報道が多くなることが想定されます。

 これまでの加計学園に関するマスコミ報道においては、閉会中審査の審議内容を報じるに当たって、大半を前文科事務次官の前川氏の発言紹介に費やし、国会審議の全体像を伝えない(一部)メディアがありました。

 このような報道は、国民に一方の意見を殊更に伝えるものであり、事実と異なる誤った印象を国民に与えかねないものです。健全な民主主義が行われるためには、意見が分かれるようなものについては、双方の意見を聞いた上で判断することが重要と考えますが、このような報道が続けば、そのような民主主義の基礎部分が毀損されかねないと思っています。

 そのようにしないためには、メディア(特に、公共の電波を使っているテレビ)が偏向したら指弾することももちろん重要ですが、我々もマスコミに流されることなく、ファクトをしっかりと把握した上で自分なりの意見を持つことも同じように大切だと思います。

 そこで、加計学園獣医学部認可についてのこれからの報道を注視していくうえで重要になると思われる いわゆる「4条件」について、自分の頭を整理する意味で、これから数回にわたってポイントをまとめていきたいと思います。

〇加計報道で使われている いわゆる「4条件」とは何を指すのか?

  加計学園獣医学部の新設を認める審議会の答申を伝えるニュースでは、「4条件についての審議がなされておらず、手続に瑕疵がある」旨の主張があることを紹介し、これから問題になる可能性をにおわせたりしています。

 このように、テレビなどでは「4条件」や「石破4条件」と特に説明もなく使用することが多いですが、そもそも、いわゆる「4条件」とは何のことでしょうか? このことについて詳しく、そしてわかりやすく説明している、質の高いブログ記事がありますので、それを読んでいただきたいと思いますが、いわゆる「4条件」を簡単に言えば、次のようになります。

◆いわゆる「4条件」は、平成27(2015)年6月30日に閣議決定した『「日本再興戦略」改訂2015 ―未来への投資・生産性革命―』において、「残された集中取組期間における国家戦略特区の加速的推進」のために新たに講ずべき具体的施策のひとつとして示された(P121)ものです。

※『「日本再興戦略」改訂2015 ・・・・・ 』の中での「4条件」の位置づけ

 >第二 3つのアクション

    >5-1 「国家戦略特区」の実現/・・・・・・)

       >(3)新たに講ずべき具体的施策

          >ⅱ)残された集中取組期間における国家戦略特区の加速的推進

            >(地方主導による大胆な規制改革の実現)

 いわゆる「4条件」⇒ > ⑭ 獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討

◆いわゆる「4条件」は、具体的には、

・現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化し、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになり、かつ、既存の大学・学部では対応が困難な場合には、近年の獣医師の需要動向も考慮しつつ、全国的見地から本年度内に検討を行う。

というように記述されていますが、野党やマスコミなどは、次の4つを指して「4条件」と言っているようです。

 条件1 既存の獣医師養成でない構想の具体化

 条件2 獣医師が新たに対応すべき分野における具体的需要が明らか

 条件3 かつ、既存の大学・学部では対応が困難

 条件4 近年の獣医師の需要動向も考慮